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2-3 怪奇現象?
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空はうっすらとオレンジ色に染まり、生徒たちを帰宅へと促す。
放課後、約束通り迎えに来た矩斗と、美柚は帰路に着いていた。
帰るまでに何度か同じクラスであるレンの視線を感じたが、美柚は避けて避けて、避けまくった。
教室を出る時、とどめとばかりに視線が合ったが、最後にぺこっと軽く頭を下げて出てきたのだ。
なので、特に紅夜薗兄弟と接触はなく一日を終えた。
美柚の足取りは軽かった。これからの生活のことなど、まだまだ問題は山済みだが少し気が休まった気分だ。
それだけ、彼らの存在は美柚の中で脅威にも似ていた。
何にせよ、今は兄のように慕う矩斗といる。
二人仲良く並んで歩きながら、美柚は父親が消えたところから説明をした。
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