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「あ、あー……うん」
ノアが俺の絵を見て、複雑そうな表情を浮かべる。
どうしたんだろう?
もしかして俺の才覚あふれる素晴らしい絵を見て、逮捕が惜しくなっちゃったのかな?
参ったな。天才は辛いな。
そんなことを考えていると、ノアがおずおずと俺にスケッチブックを見せに来た。
「な、なんだこれは? 新種の動物か?」
ええーっ!?
もしかして、下手すぎて分からなかったというパターンですかぁ!?
なぜだ……俺の溢れる幼女愛が伝わらないなんて……!
「ん? もしやこれは、近くの幼女をたぶらかして書かせたものではないだろうな!?」
ええー!
むしろ不本意な方向からの疑いをかけられてるんですけどー!
幼女に絵なんて、もう是非書いてもらいたいですよ!
「ちがうちがう! これはな、俺が思い描いた空想の動物を描いてたんだよ!」
「なんだお前、乙女か」
ああ! 誤魔化せば誤魔化すほど、俺に不名誉なキャラ付けが追加されていく!
だが仕方ない。
逮捕されるくらいなら、おもしろ乙女お兄さんとして生きていく方がましだ。
ここは涙を堪えて我慢するより他はない……!
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