【レビュー】 自動車の整備工である後藤紅太には、薬指の付け根をさする癖がある。 かつては指輪のあった……その場所を。 【感想】 ふだんは水面下に隠れている、どうしても消えない想い。 それがふいにこみ

　最後の悲しみは消えても愛が消えないの台詞に胸を揺さぶられる作品でした。彼と彼女に一体何があったのか、あえて語らないところにこの物語の奥深さがあるように感じられます。

　最後の二行、目頭に熱いものがこみ上げる良作でした。大切な人を想う気持ちは永遠ですね。淡々と作業をこなす描写と、突然湧き上がる感情の起伏に耐えきれなくなる場面が対照的で、とても良かったです。