退院

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退院

12月18日。 僕はベッドの上に座り、窓から外に降りしきる雪を眺めていました。 真っ暗になった外に舞う白い雪に不気味さを感じました、けれど綺麗でした。 17時48分。 病室の扉が開いた音がふと耳に響き、目をやると白い花束を手にしたヨシキがいました。 「カラ、起きてたんだな。」 「はい、起きてました。」 少し眠い目を擦りながら彼を見ると、ヨシキは微笑んでベッドの隣にある椅子に腰をかけた。 僕がその手の花束に目をやると、照れくさそうな顔をしながら僕の手に渡すヨシキ。 「シンビジウムっていうんだって。 ちょうど今日の誕生花らしいよ。」 「…雪みたいな白さが綺麗ですね。 わざわざありがとうございます。」 「カラ、花言葉って知ってる?」 「いえ?」 「花言葉は『飾らない心』、『素朴』。 なんだかカラに似合うと思わない?」 「…そうですか?」 見つめてみると、落ち着いた淡い色。 僕は飾らないんでしょうか? それとも素朴なんでしょうか? 疑問を抱いている僕の傍らで、ヨシキは僕を見ているのか窓の外を見ているのか分からないけれど…言いました。 「明日…退院だな。」 「…はい。」 また明日から学校だと思うと少し楽しみな気がする、それはきっと、気のせいじゃない。
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