伝説の予感

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「す、すみませぇん。焼きそばドッグがもう……」 「あ、じゃあいいですよ」 「ほんとに申し訳ありませぇん」  もう泣いている。見ていて可哀想というか、痛々しいというか。 「なあ、あの子……」  可哀想だなと言いかけて俺は言葉を止めた。  隣に立っている外木場の様子が明らかにおかしかった。  レジの方に向いたまま、目を見開いて体をがたがたと震わせている。  こいつ、大丈夫か? 「四コンボ。四コンボってなんだ。滅多にみられるものじゃないぞ。伝説クラスだ……」  大丈夫じゃなさそう。 「お前はさっきから何を言って……」 「やあ、外木場さん。来てらっしゃいましたか」  俺の言葉を遮って現れたのは、制服姿の禿げた小太りのおっさん。
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