伝説への希望《のぞみ》

3/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「それは禁じ手ですよ。二〇〇八年に起こったブラジル事件をお忘れですか?」 「けど、明確にルール化されているわけじゃない。判定員のさじ加減という所はあるけれど、この後で仕掛けられるとしたらそれしか……」  へぇ。ルールあるんだ。  さぞかし分厚いルールブックなんでしょうな。てか、何? これ、国際的な何かなの? 「うちの店員はせめて、そのような汚れた技は使わないで欲しいものです」 「確かにね。品位には関わると思うけれど……」 「あれのおかげで世界記録は十七コンボ。到底抜けるものではないです。けど、いずれルールの見直しが行われ、この記録が参考に格下げされることを切に願います」  どういう技だよ。もう何なら気になるよ。 「待って、店長。希望があるかも」 「えっ!?」 「彼女、まだ袋詰めをしていないよ」  二人は顔を見合わせ、頷き合った。その目には希望の光が再びってどーでもいいや。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!