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「痛ぇよバカ」
震える声で言うけれど、手を振りほどこうとはしない。隙間がないくらい密着して、また唇が重なるか重ならないかくらいの距離で囁いた。
「マジでそんな煽んないで。俺もホントに我慢できなくなる」
絡められた指が脱力する。もうすっかり上向いてる下半身を、彼の太ももに擦りつけた。
「もうこんなになってるんだ、ごめんな」
彼の身体が硬くなる。けれど、やっぱり手を放そうとはしなかった。
「だから、その謝り癖直せよ」
「え?」
「いちいち謝らなくていいって」
「あ、うん、ごめん」
「だからそういうとこ」
話してるうちに、やっと彼が笑った。
「ホント馬鹿だし、真面目だな」
馬鹿は同意するけど、真面目ではないと思う。
「俺さ」
ほんの少し背伸びした彼が、俺の口に軽く唇を押しつけてくる。
「たぶん、そういうところが好きになったんだと思う」
ホントに目の前で柔らかく微笑まれた。
その瞬間、気絶したみたいに、理性を失った。
再び彼を壁に押し当て、夢中で唇を奪う。舌を絡ませると、彼の舌も少しずつ応えるように絡ませてくる。
「ん……っ、ん」
彼は振りほどき、俺の二の腕を掴む。重ねた唇の隙間から入ってきた空気が冷たく感じるほど、お互いの体温が高まってくる。
唇を離すと、戸惑って視線を落とす彼の前で、一気にTシャツとパンツを脱いだ。
「一緒にシャワー浴びよう、俺まだだから」
「えっ」
手首を掴んで、戸惑いもそのままに、湿度とぬくもりの残るシャワールームへ入る。アクリルの仕切りの中は男2人が入るとさすがに結構狭い。けど、今はこの狭さが密着出来てちょうどいい。
シャワーを捻ると、背中にお湯を浴びた。彼を背中で守るような態勢。
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