モッキンバード

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「ねぇそうだ兄さん、アレじゃん、言ってたじゃん、俺のカノジョのこと」 「あ?」 「ほらー、バタバタしてて改まって紹介できなかったじゃん」 あ、バタバタしてたのは、結婚決まった兄さんの方ね! 「ああー、そうだったな。お前のカノジョ。男のな」 実は空港で紹介したっきり、会わせてもなかったんだ。 「なんで男と付き合ってんだよ、あんなに女の連絡先聞いといて」 確かにめっちゃ女の子の連絡先聞いてたし、百人斬りも達成したし、なんで男と付き合ってんだって話なんだけど。 ぶっちゃけ、女の子にも結構告白されたりしたりなんかもしたんだけど。けどもね。 「そーだけどぉ、女の子よりあいつの方がよかったんだもーん」 もう話をするだけでデレッとしちゃう。 キモッ!って言われたけど、思っ切りノロケられた後だから全然気にしない。 「あれ、兄さんもしかして、馴れ初め聞きたい感じ?」 「全然聞きたくない」 「しょーがないなぁー、あのねぇ」 「だから聞きたくねぇって」 「あれはねぇ、兄さんに童貞捧げて、女の子のつまみ食いも落ち着いた辺りにねぇ」 「童貞捧げたとかいうな!」 オメーに襲われたみたいなもんだからな!って怒ってる。 人妻なのに失礼した。なんて反省は一瞬で、俺の頭はカノジョのことでいっぱい。
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