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「すっげー」
すっかり部屋の豪華さにやられて目を輝かせていたのを、彼のくしゃみで我に返った。急に暖かい部屋に入ったから余計に体の冷えを感じる。俺もさすがに背筋が寒いような気がして、一気に上着をパーカーまで脱いだ。適当に着てきたTシャツ一丁になると、ジーパンも邪魔くさくて脱いだ。ボクサーパンツもさらけ出す。重さも服が張り付くような感じもなくて一気に楽になった。
「脱いだ方がいいよ、濡れた服いつまでも着てたらマジで風邪ひくよ」
親切心から言う。彼は少し戸惑った顔をした後、俺と同じように一気に服を脱いだ。薄ぺたな上半身、ほっそりとした腕を見ただけで心臓がポンと高鳴る。
「乾かすとこ、あんの?」
絞れば水が出てくるくらい濡れた服だ、乾燥機でもない限りは難しいだろう。とりあえずハンガーにかけて風呂場じゃない?って答えて、そのまま服を預かりハンガーごと風呂場に向かう。
スケスケの風呂場の戸を開けると奥までタイル敷きになっていて、途中に洗面台とアクリル板みたいので仕切られたシャワールームがあって、突き当りにかなり大きめの浴槽が鎮座していた。
「なー、やっぱすげぇよ、見て風呂超広い!」
アトラクションに来たみたいなリアクションしちゃう。彼は俺の背中の方でため息をついて、いいから、と小さな声で呟いた。
「いいから早く服乾かしたいんだけど」
自分の体を隠すように腕を組んでおどおどしている。この場に佇んでいること自体が恥ずかしいみたいに。その反応とこの部屋の高級感と雰囲気が、一気に股間に響いた。
「ご、めん、今服干すから」
反応してない体を必死で装って、ハンガーに彼の服を掛ける。彼はその手を奪い取って、俺と壁の間に体を割り込ませるようにしながら、俺やるからいいと言った。
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