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「そうだ、独身の人に
もらってもらえば
いいんじゃない?」
「独身女性なら、
犬女を飼っていても、
まぁ多少は」
しかし残念ながら、
親戚の中に独身女性はいなかった。
次に目標にされたのは
独身男性である屑男だった。
「それが、いいんじゃないかしら」
「そうね、独身の人なら、
そういうこともあるでしょうし」
「あなた、
おばあちゃん子だったから。
おばあちゃんの形見だと思って」
屑男は一番痛いところを突かれた。
おばあちゃんの形見。
その言葉に屑男は
断り切れなくなってしまった。
かくして、
屑男は犬女ちゃんを
引き取ることになった。
犬女ちゃんは、
おばあちゃんと
ずっと暮らして来た家を
離れるのが嫌で、
鳴きながらいつまでも
動こうとはしなかった。
屑男は首輪を引っ張って
無理矢理引きずって行った。
でも犬女ちゃんは、
おばあちゃんと同じ匂いがする
屑男のことを嫌いではなかった。
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