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犬女ちゃんとおばあちゃん家
屑男は、急逝した
おばあちゃんの家に
向かっていた。
屑男もかっては
暮らしていたその家に。
おばあちゃんの家を
訪れるのは久しぶりだった。
おばあちゃんの家には
すでに親戚が集まっている。
田舎によくある
敷地が広くて、庭が広い家。
門の前では、
叔母達が立ち話をしている。
叔母達は屑男の顔を見ると、
驚いたように一瞬固まった。
屑男が無愛想に
軽く頭を下げると、
叔母達が声を掛けてきた。
「あぁ、あんた
おばちゃん子だったからね」
屑男がその場を離れるとと、
叔母達がヒソヒソ話を
しているのがわかる。
どうせよく思われていない
のはわかっていた。
一家揃って
嫌われ者なのも知っていた。
屑男はこんな面倒なところに
やはり来るのではなかった
と思いはじめる。
昔、屑男と父親、母親と
おばあちゃんの四人で
この家に暮らしていた。
その頃はおばあちゃんが大好きで、
屑男はいつもおばあちゃんに
甘えてばかりだった。
しかし、父親が死んで、
おばあちゃんを
よく思っていなかった母親は、
屑男を連れてこの家を出て行った。
その後の屑男の人生は
ろくなものではなかった。
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