第6章

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「お願いだから……もうやめてっ……」 2本? 今でもいっぱいいっぱいなのに――。 「2本なんて……やだ……!怖いよっ……」 おかしくなりそうだった。 「大丈夫だって――あーあ、泣いちゃったよ」 首をぶんぶん振って抵抗した。 今の僕は赤ん坊と同じ。 「ごめん、ごめん。でも苦しいのは最初だけだから」 「ああっ……やぁっ……!」 抵抗すると言っても 泣くことと首を横に振る事ぐらいしかできない。 「人差し指さん、これだよ分かる?」 「ンン……」 由莉は抑え込んだ僕の手首を引き寄せ 人差し指をしゃぶると。 「俺のこいつも、おまえの中に入りたいんだってさ。いいだろ?中指くんと一緒にかくれんぼださせてやってくれよ。ん?」 子供をあやすように言いながら 人差し指を並べて突き立てた。
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