第6章

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ガウンだけ羽織ると 濡れた身体のまま由莉は鏡の前で煙草に火をつける。 「身体も拭けないほどか?」 「え?」 曇った鏡越し。 いつまでもバスタブの淵に座り込んだまま動かない僕を見て 「立つの、手伝ってやろうか?」 バスローブを放り投げ笑った。 僕は返事もせずそそくさとローブを着る。 「どうした?」 「どうしたって……」 自分の身に今日1日起こった出来事。 そして今現在のこの状況。 それからこの後起こるだろう事柄を 頭の中で処理できずにいるのだ。 「僕は……どうなるの……?」
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