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不安げな声が自分の鼓膜を揺さぶる。
「響也は……どこにいるの……?」
髪から垂れる雫が
涙のようにポタポタとローブの袖を濡らした。
「鳥小屋かもな」
「冗談言わないでっ……」
信じていた者に裏切られた気分だった。
この兄弟のせいじゃないと僕には分かってた。
「吸うか?」
「いらない」
「なら行こう」
自分の兄と自分の身体が
僕の心を裏切っている。
「ベッドに入ればみんな忘れるさ――おまえはみんな忘れる」
そんな気がした。
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