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俺とキセキ、それから俺と同じクラスのカケル、キセキの中学からの友達のマコトの4人で、駅前でメシ会をしていた。 「いや~薬学部に知り合いできてマジで良かったよ。また分かんないとこあったら聞きにに行く」 カケルがキセキに肩を組んで言う。 「共通の講義ならな」 キセキは笑って頷いた。 「ケイはキセキとお隣さんだっけ?いいよなぁ隣が友達だと。一人暮らしだと風邪ひいてぶっ倒れても普通看病してくれる人いないもんな」 マコトに言われて、呪いでぶっ倒れてた時に抱いて助けてもらいました、とは言えず、しかし思い出して思わず赤面する。 「呼んでくれたら俺、行くけど」 俺が赤面したのを隠すように俯いて答える。 「あ、俺は彼女いるから大丈夫でーす」 けれどマコトはあっさりと俺を裏切った。 「コノヤロー!」 軽く肩に拳を当てる。 みんな笑っていた。 薄暗くてよかった。俺の赤面は誰にも見とがめられることはなかった。 話によると、この中で彼女がいるのはマコト一人だった。 この中で童貞じゃないのはキセキ一人だし、処女じゃないのはおそらく俺一人だった。 盛り上がっているところで、店の閉店時間となり、俺たちは店から最も近いマコトのアパートに泊まることになった。
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