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瞳は、キラキラと輝き、いつもの爽やかな笑顔がそこにあった。
彼を瞳に写した瞬間から、お祭りの入り口にたった時の様な胸騒ぎが始まった。
走り回る子供達の笑い声から始まり、男女の和やかな話し声、遠くから胸を弾ませる力強い太鼓の音、爽やかな風すら笛の音色の様に聞こえた。
「ゆうくん、よくわかったね」
私は、自分でも良く解るほど笑顔がこぼれた。
「ゆか、泣いてた?跡ついてる。」
あ、しまった泣いてたよ。目をぬぐった。
「あくびしてただけ」
ゆうくんに何だか違和感を感じる、何故だろうか?
「なんか、ここって凄く雰囲気いいよな。風流って言うのかな?」
何と言うかソワソワしているのかな?周りをよく見渡す。
「ゆうくん何だかオッサンみたい」
出たゆうくんの変顔だ。
でもやっぱりいつもと何か感じが違うな。
「こんなに凄いならもっと下調べするべきだったな。ゆかは下調べしたの?」
「うん、したよ」
そんなにおかげ横丁が気に入ったのかな?
でもなんか焦ってる感じがする。
と考えていたら急に頭を両のぐうの手でポカポカポカといった感じに叩き始めた。
「へ、どうしたの?」
少し、異様だったので素直に漏れた。
「いや、まどろっこしくて、ゆか、僕と一緒にまわって欲しいんだ。いいかな?」
そっか、照れてたのか。思わず笑った。
「いいよ。でもルナちゃんはいいの?」
「ああ、別に……ゆか何だか朝から疲れててろくに話せてなかったから一緒にまわりたいなあって」
何と言うかさらっと言うから予想外だった。まぁいいか。
「じゃあさ、行こうよ!あっちに射的あるんだ」
「いいね!行こう!」
余計なこと考えなくて良いっていいことだね。
立ち上がった時の、髪を撫で下ろす風すら心地よかった。
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