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今回はちびまる子ちゃんスクラッチだって。
店員はニコニコのおばちゃん。縁起良さそう。
「あら、いいわね。デートかしら?ぜったい当てて美味しいもの食べてね。」
当たったらどうしよっか、そんな思いと共にカードを削り始めた……
ダメだ全部ハズレか……
「ゆか……」
どうしたの、もしや当たったの?と呼ばれた拍子に思い、ゆうくんの手元を見たが、そこには百円の当たりクジしかなかった。
「ゆうくんもダメだったかー」
「ゆか、一ヶ所削り忘れているよ。そのダブルチャンスのところ」
あ、本当だ!逆側にもう一ヶ所……
削ってみると何と当たった!
見たら5000円だって!
「ゆうくん当たっちゃった見て見て凄いよ!」
嬉しくて、ついついゆうくんの手を強く引っ張る私。
「イタタタ、いや本当だ凄いよ始めて当たった。」
でしょ?その手をブンブン振り回す私。
「よろこび過ぎだから、イタタタ」
と言いつつ嬉しそうなゆうくん。
こんな時がずっと続けば良いのに……
・・・・・・・・・・
私達は、集合場所にやってきた。
人混みの向こうの方に木造の橋が見える。
ざわざわとした話し声とじゃりじゃりという玉石の音の中みんなを探した。
そういえば、健治くん置いてきちゃったんだよな……大丈夫かな……気まずいかな……とりあえず謝ろう。
どうやら、私達が最後だったようで見慣れた一団が見えてきた。
行きかう人々の間から遅いよ~って手を振っている。
健治くんは、真顔だ。怒っていなそうだけど……笑ってもいないし……真顔だ。
とりあえず話しかけよう。
あのう……と言いかけたとき、とても怒っているルナちゃんに気が付いた。
「祐司くん、突然いなくなっちゃうなんて酷いじゃない?」
えっ、ゆうくんも……
面目無いと頭を下げるゆうくん。
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