上手くいかないゴールデンウィーク

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 私も健治くんに何か言うわないと……  周りの人混みのせいでもある。考えれば考えるほど頭の中がざわざわと騒ぎ考えることを許さない。 「健治くん……ごめん……」 なんていいっていいかわからない…… 中途半端に低い目線で行きかう人々の足を見つめている。健治くんを見ないといけないのに。 「まったく、心配しましたよ。あんなに息を切らしていたのにいなくなっちゃうから。」  頭に降り注ぐ健治くんの声は優しかった。 「でもまあ、そのおかげで巡り合えたみたいですね。俺はよかったと思ったとおもいましたよ。」  私は、顔を上げた。 健治くんの表情は笑っているけど、どこか寂しそうにも見えた。ごめんね。  彼は、言い終えるとゆうくんの方へと歩いて行った。  人混みと会話の草原を突き進むように。  ゆう君はと言うと、まだルナちゃんから、あそこ行きましょ?ここ行きましょ?みたいな事を言うわれていた。  健治くん、ゆうくんに何を……  ルナちゃんを挟み、二人は対峙した。  ルナちゃんも驚いてゆっくりと振り向いた。  しっかりと、ゆうくんを見つめる健治くん。  ゆうくんもまた、健治くんを見つめた。  周りは賑わっているのに、ここだけが時が止まってしまったかのように……  突然、健治くんはルナちゃんの手をとった。 「一緒に行こう」 「え。」  突然のことに驚いたのか、ルナちゃんはそのまま手を引かれ彼とともに橋の向こう側へと消えていいた。  しばし、茫然とした。   涼子先輩や吉田先輩は、ひゅ~、とか、ふう~とかやたらと楽しそうなのを除いては。 ここで、部長が注目というように手を挙げた。 「まあ、携帯もあるしあの二人とは後で合流すれば大丈夫でしょう。さあ先に進みましょう。」  私の前に手が差し伸べられた。ゆうくんだった。 「僕たちも行こう。」  私は強く彼の手をつかんだ。 「うん」
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