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バスは山と海の間を走る。この道はパールロードと言うらしい。
パールって言うと真珠だけど、どう見てもホタテではなく、カキ詰め放題のお店が多い!まあ、面白いけどね。店先のおばあちゃん達がバスを見ては手を振ってるんだもん。
左には優大な海、右手は山でこれといって無いけれど、のんびりとドライブするには良い道。
志摩に入ったくらいでバスは脇道にそれた、デコボコとした細い道を下り、小さいトンネルをくぐり抜け、視界が開けた。
私達が出たのは町の小高い丘の上、向こうにはコンクリートでかためられた小さな湾が見え、船が並び港を形成していた。
といっても、凄く小さな町だけど。
バスは、右へ左へと道路を下り、メイン通りに出たと思ったら、タバコ屋の角を曲がってまた登り始めた。
津波対策の施された、基礎のコンクリートの背が高い、家々の間を縫うように進むと、崖の上にたたずむ民宿・福若が見えた。
レトロなバスを揺らしみんなで降りると。
全身を包む様な潮風がお出迎えする。
着いたーと、みんな伸びていたら、福若からニコニコとした老夫婦が現れたら。
「よくきたね。さあさあお入りゆっくりしていってね」
「「お世話になります」」 小さいさな港町を見下ろしつつ。
今日一日が、ようやく一段落つこうとしていた。
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