ウソという名の日常

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急ではあったが部長の行きつけの焼肉屋の予約がとれ、学校からみんなで直行してきたところ。 座敷に通され、先ずは部長から一言。 「みんな今日は無礼講で行って欲しいわけなんだが……一つだけ注意点が……三年の吉田くん!」 部長が指差したのは少し仏頂面の吉田先輩。この人は雰囲気や行動が面白い。 「あ、はい」 ニヤニヤしながら答えた。 「野郎ならいいだろうとか言って一年生の飲み物に酒をもらないこと!彼らはまだ未成年ですからね!」 「あ、はい」 ニヤニヤしている。 「祐司くんと健治くんも気をつけて!」 「「わかりました」」 こうして、楽しい歓迎会が始まった。 面白いのが吉田先輩を入れた三年生男の子三人組、私が本当は二年だから一つ上の先輩。 去年も面白かった。なぜかこの人達は横一列で座る。去年もそう。 上機嫌になりだすとコントが始まったり肩組んで踊り出したり、去年の部長大変そうだった。 三年生唯一の女の先輩、涼子先輩はタバコをふかして「やれやれ~」ってあおってる。 三年男子三人衆、今年は、……るなちゃんに興味津々のご様子。可愛い子は大変ですね~。 ゆうくんは部長とはなしてる。どんなところ行くんですか?とか、興味津々みたいで凄く楽しそう。 「ゆかさん、お肉取ろうか?」 突然、話かけて来たのが健治くんでちょっと驚いた。初めて話したかも。 「ありがとう。健治くんと話したの初めてじゃない?」 彼は、ひょろっと細いが、切れ目で美形の顔立ちをしている。 「あは、そうかもね」 笑った顔は可愛い感じ、三年生女子の先輩に可愛がられているわけだ!
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