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「お花、好きなんですか?」
私は思わず、聞いてしまった。
「いや、別に。」
そう言いながら彼は読んでいた漫画本のページを見せてきた。
「ちょうどこれに、出てきたから。」
彼が読んでいたのは、近所の花屋でバイトしている女の子に恋をする男の子のお話だった。
その主人公は、名前も知らない女の子に話しかけるきっかけを作るために、一生懸命お花の名前を覚えようとしているのだという。
「そうでしたか。てっきりお花好きな方なのかなって思って。
私、小さいころからお花が大好きで、いまも花屋さんでバイトして、
ベランダが広めのアパートを借りて家でも育ててるんです。
ヒヤシンスは見た目もかわいいし、色ごとに花言葉が違って、
素敵なお花なんですよ。」
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