私だけが君を見ていた

大好きな彼

　今日は、いま作っている音ゲーのチュートリアルに何の曲を入れるか、という話をしていた。
　私が、ドリカムの未来予想図IIのサビがいいと言うと

「ドリカム好きなの？」

　彼が漫画から顔を上げて聞いてきた。

　お、今日は食いつきがいい。
　私は表情筋に力を入れて、にやけそうになるのを我慢しながら答えた。

「はい。音楽あまり聞かないんですけれど、ドリカムだけは小さいころから聞いてたんです。
お母さんが好きだったから、それもあって。」

　今日は彼に話しかけてもらえた。ラッキーな日。

　彼の話では、彼が最近ハマっている漫画のヒロインもドリカムが好きなんだとか。
　それを聞いて、なんだか彼と初めて会ったとき見たいだな、なんて思った。

　結局、チュートリアルは最近流行りのアイドルグループの曲になった。
　でも私は彼と話せたので、それでもう満足だった。