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麻耶が嬉しそうにビートルズの話をしている中で、俺は真侑を落とす為にコイツを利用しようと思案していた。
俺に落ちない女はいない。
絶対に体を開かせてやるという野望が広がっていた。
それから何かと用事を付けては麻耶の教室を訪れ真侑を探し、今日も必要のない辞書を持って来た。
真侑と接点を掴む為に。
自分でも何でこんなに執着しているのか謎だ。
しいて言えば、あの手触り良さそうな長い髪に巻かれてみたいって所かな。
俺に群がる女の染めまくって傷んだ光ファイバーみたいな髪じゃなく、手入れの行き届いた漆黒の柔らかなサラサラの髪。
是非アレに巻かれてみたいのだ。
まぁーそれも只の暇潰しなんだけど。
「ふぁ~寝すぎた…」
時間が経つのは早いもので、昼寝のつもりがすっかり寝すぎて放課後になってしまっていた。
(最近ほぼオールで女と遊んでたから流石に効いたか…)
毎夜クラブやカラオケ、独り暮らしの女の家を渡り歩いていた。
そんなに寝なくても平気な方だと自負していたが、連日のツケがきたのだろうか。
否、あの屋上と気持ちの良い気候がそうさせたに違いない。
俺はまだオールがキツくなる程の歳でもないから。
麻耶の英和辞書を片手に明日返せば良いかと、自分の教室に向かっていた途中、あのサラサラの髪が目に入った。
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