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第5話 流星群
「トゥントン、トゥントン」
「ポィイン、ポイィィーーン」
「ポポポコ、ポコ、ポポポコ」
「ドゥウウーン、ドゥウウウーンッ」
「ねえ、何してんの?」
コウイチとミカが音を出し合っていた。
それはいつもの事なんだけど、なんだか気が抜けるものばかりだ。
例の少女はお腹を抱えて笑っている。
よっぽどツボに入ったんだろう。
「ええとね、今どっちが面白い音出せるか勝負してんの!」
「やっぱオレだろ? 弦楽器の多彩さはここでも発揮されるんだ」
「いや、2人とも変な音だよ」
「なんだよぉー高見の見物なんかしてさ。ソウマも出してみろよ」
「いいわねそれ。たまにはお茶目なソウマくんを見たいなぁ」
ええっ?!
そういうの用意してないよ。
どうしようかな、何かいい音は……。
「ピロリロリ、ピロリロリ」
「そっ……そのメロディはっ!」
「唐揚げ定食ください! ごはん大盛りでぇー!」
良かった……伝わったみたいだ。
このメロディは定食屋さんのチャイム音だ。
店の入り口が開くと鳴るんだけど、妙に特徴的なんだよね。
それを聞いた2人は悶絶している。
『腹が減る』とか溢しながら。
「くっそう、真面目そうな面して精神攻撃とは……やるじゃねえか」
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