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第3話 居場所を求めて
「ソウマ! お前サークル辞めたんだって?」
講義の終わった4時半過ぎ。
大学の門から出ようとした僕に、そんな声が掛けられた。
バンドで一緒だった『コウイチ』と『ミカ』がそこにいた。
練習時間が迫っているからか、二人とも楽器を持っている。
「辞めた、というかクビだよ。昼休みも部室に入れてもらえなかったし」
「そっか。お前も許されなかったんだ」
「お前『も』ってどういう事?」
二人ともサークルには行かないんだろうか。
ノンビリしている余裕は無いはずなんだけど。
「ねぇ、二人はもしかして……」
「おうよ、本日付けで辞めてやったぜ!」
「私も同じく。あんな私物化されたバンドなんか全ッ然楽しくないもの」
「僕は嫌われてたけど、君たちは睨まれてなかったじゃない。どうして急に?」
僕の目から見ても、2人は上手く馴染んでいたと思う。
というよりも僕が酷すぎて、他の人たちが目立ってなかっただけかも。
「ソウマの扱いに腹が立ってな。2人で直談判したら大ケンカだよ」
「あいつマジでムカつくんだけど。『そもそもパーカッションなんて要らない』なんて言ってたわ!」
「オレも捨て台詞もらったな。『ギター弾きなんて腐るほど居る』だってさ」
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