第4話  再び森へ

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もう1人じゃないんだもんね、みんなと気持ちを通じ合わせないと。 「じゃあ2曲目行こうか、オレから行くぞ!」 「こんどは、あたしもやるーっ」 「おわぁっ!!」 突然目の前に『ドサリッ』と空から人が降ってきた。 驚きのあまり、全員が足をもつれさせて転んでしまう。 その拍子に見えたのは、ブンブン揺れる長い木の枝。 そこから落ちてきたのかな……危ないなぁ。 「何この子カワイイ! 子役みたいな美人さんじゃないー」 「おぉ、金髪碧眼(へきがん)ってヤツか。キレイな青色だなぁ」 「普通、どこの誰かを気にするもんじゃない?」 映画やドラマで見かけるような少女の登場に、2人は大盛り上がりだ。 歳やら名前やら国籍やら、早くも質問攻めにしている。 当の本人はというと、質問をかわしながら大きな声をあげた。 「おウタ、うたうの! きいてちょうだい?」 その言葉を聞いて、僕は反射的にサックスを構えた。 コウイチとミカもそれに倣う。  ◆ 彼女が披露する歌は、昨日と同じものだった。 それでも僕は新鮮に感じた。 昨日の元気の良い歌い方と違って、今日は少しだけ大人びていた。 メロディとともに吐き出された息が、僕たちを優しく包み込むようだ。 それを聞いてアクションを起こしたのはミカだ。     
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