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第8話 それからの僕たち
僕たちはあれからも小屋へと通い詰めた。
いつもは夕方に集まってたけど、その時間帯だけじゃなく、朝や夜にも訪れた。
そして、深夜0時となった今もここに居る。
全てが空振りだった。
ポッカリと口を開けていた大穴は、今ではすっかり塞がっている。
塞がっているというよりも、そもそも最初から穴なんか無かったように、雑草が生い茂っている。
「今日もダメか。どうして行けなくなっちゃったのかな……」
「なんでかしらね。法則でも有ったりする?」
「うーん。ゲームだったらフラグ立てが必要な場面だよなー。ボスを倒したり、アイテム持ってくるとかさ」
「ボス……」
もしかして、あの鎧の男を撃退したせいだろうか。
何かしらの理由があって、僕たちが倒す必要があった?
だからあの世界に向かう必然性を失ってしまった……とか。
なんだか本当にゲームみたいだ。
それを言い出したら、あの森の存在も十分ファンタジーだけどさ。
「もう少しだけ協力してくれないかい? せめて明日。明日ダメだったら……」
「こんの悪ガキどもめ! 夜中に集まって何をしとるかーっ!」
「うわぁぁああ!」
突然後ろから怒鳴り声が聞こえた。
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