第2話  森の中の少女

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あの道を歩いている間にはぐれてしまったんだろうか。 これはボヤボヤしてられない。 警察に電話しなきゃ! 通報してすぐにお巡りさんは来てくれた。 でも顔に逼迫感はなく、怪訝そうな顔をしている。 「君かな? 一報を入れたのは」 「はい、そうです。森の中で女の子とはぐれちゃって……」 「森? 森ねぇ……」 お巡りさんは辺りを見回しながら、不審そうに呟いた。 僕を見る眼差しが少しだけ強くなる。 「この辺りに森なんかないよ。君、酔っぱらってる? まさかクスリじゃないよね?」 「え……そんなハズは!」 お巡りさんの言葉に嘘は無かった。 歩いてきた場所は森なんかじゃなく、奥行きのない林。 しかも行き先は狭い畑があるだけだった。 そんなバカな、ただ一本道を歩いてきたハズなのに……。 僕はあまりの事態に呆然としてしまった。
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