3話 セフレ

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「なんか見たことある顔してるな。……ま、唯はこれが好きなんだよ。よくわかったか?」 「唯……」 顔見えないのが救いだ。 雅也、私、お父さんとこんなんだよ。 もう、見ないで。……お願い。帰って。 「唯!!」 雅也が何かして、私の足の紐を切った。おもちゃ、落ちた。 私を抱えた。 「くだらねえオヤジだな!!唯の親かテメえ!!唯、連れて行くからな!!」 「やめろ!!唯を離せ!!」 「うぜえ!!こんなん見て、俺がショックでも受けてすごすご帰ると思ってんのかクソオヤジ!!テメえの子供だろうがよ!!」 「離せ!離せ!お前みたいな若造に何がわかる!唯を気持ちよくさせて、唯が俺を気持ちよくさせて、これがうちの……」 バキッって音した。 お父さんが床に倒れた。 「社会的に潰すか?!ああ?!とにかく唯は俺が連れて行くからな!!」 抱えられたまま、雅也の車に乗せられた。 何も言葉出なくて黙ってた。 「………なんで言わない!!バカか!!」 「………中学から…気がついたらずっと………人に言える?……私の家、こんなんだって、人に言える?………子供が家に帰るの当たり前だよね。……なら、お父さん受け入れなきゃならなかったの……」 「もう帰るな!!あんなん親じゃねえだろ!!」 「そうだね。……でも、私、どこに行けばいいの?……帰る場所がないよ?」 「うちに居ろ!!!」 「…………雅也さ、私、雅也の何?……セフレでしょ?……その辺りで降ろして。…どうにか生きて行くよ。…でも、ありがとうね」 「降ろすか!!」 意味わかんないけど、私、家出れた。 したくない時はしなくていいんだ。 それだけでも少し楽かな。
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