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さて、話が反れてしまったので戻そう。
只野たちは、そんな過酷な労働をすでに3ヶ月以上続けている。
頭の寝癖も作業着のヨレヨレ具合も気にならないほど、彼らは疲弊しきっていた。
「ふう。」
その日の生産が終わりラインが止まる。
今日も何とか乗り切ったと言う安堵から、只野は自然とため息を漏らすのがもはや日課となっていた。
しかし只野たちの仕事は、一時のため息の後から本格的に始まる。
本日の生産数の確認から使用部品数の確認。
さらには、ライン生産中の不良部品の仕訳や返品処理、納入先からの不良返品の修理と不良箇所の確認。
必要ならライン行程の変更もしなくてはならない。
そんな生産終了後の処理を行っていると、時計はいつの間にか深夜帯に突入している。
一旦休憩を挟んで、今度は受注先からの納入数変更FAXに目を通して、翌日の生産調整を行う。
これが済んで、翌日の生産にめどが立てばやっと帰宅の途にたてるのだ。
この時、時計の針は午前0時を大幅に越えている。
只野は疲れた体を引きずって、車で1時間かけての帰宅となるのだ。
只野は少しでも睡眠時間を確保しようと、帰り道にあるコンビニでおにぎりやパン、飲み物を買い帰路の運転をしながらそれらを胃に流し込むのだ。
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