第1章 日常
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「お兄ちゃん、起きて。」 携帯のアラームで目を覚ます。 瞼は重いが、起きる時間だ。 こちらも布団が恋しいと、離れたがらない体に無理矢理鞭をうって起きあがる。 欠伸は絶えないが、未だ寝ている妻子を起こさないように仕事着に着替えるとそっと家を出る。 外に出れば路肩に雪が残っている。 冷たい風がなぜか心地良い。 まだ覚醒しきっていない頭には、残雪の気温でさえ睡魔を祓う武器にはならないのだ。
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