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「お兄ちゃん起きて、朝だよ。」
「う……、うん?」
彼は、突然の声に目を覚ました。
周りはまだ暗い。
目を覚ましたはいいが、未だ記憶が混濁して状況がつかめていなかった。
「お兄ちゃん起きて、朝だよ。」
それが携帯のアラームだと認識するまで、しばらくの時間を要した。
彼は3度目のアラームで現実に引き戻されたのだ。
「何だ、夢か……。」
となりでは、妻と息子がすやすやと寝息を立てている。
彼は、妻子を起こさぬようそっと布団から抜け出し、身支度を整えると、家を出て行った。
そう、仕事場と言う戦場へ……。
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