第1章 日常

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  *** 「お兄ちゃん起きて、朝だよ。」 「う……、うん?」 彼は、突然の声に目を覚ました。 周りはまだ暗い。 目を覚ましたはいいが、未だ記憶が混濁して状況がつかめていなかった。 「お兄ちゃん起きて、朝だよ。」 それが携帯のアラームだと認識するまで、しばらくの時間を要した。 彼は3度目のアラームで現実に引き戻されたのだ。 「何だ、夢か……。」 となりでは、妻と息子がすやすやと寝息を立てている。 彼は、妻子を起こさぬようそっと布団から抜け出し、身支度を整えると、家を出て行った。 そう、仕事場と言う戦場へ……。
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