月と赤の誓約

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「お前を、他の男では感じないようにしてやりたい……!」 「あっ……、ユーリあたし、もう……もう、なんかだめ……っ! …………っ……!!」 「リト……! ……っ、く……!」  リトの唇から細い悲鳴が迸る。  ドクドクとユリウスの全てを飲み込んで、経験した事の無い大きな愛の津波がリトの全部をさらって行く。  震える身体を抱きしめ合い、息も止まるようなキスをして、二つに分かれた魂を繋ぐ。 (どうかこのまま、あたしたちを分かつものが無いように……)  潮が引いていく余韻に意識を預けていると、耳元に顔を埋めたユリウスが呟いた。 「……ダメだ、リト」 「え……?」 「今度は私がダメだ。おさまらない……」 「…………!」  そんな事を言われたら、またキュンと心も身体も鳴いてしまう。 「私はまだ一度目だ。キスをしてくれ、このまま……。夜は長い……」  そうして二人は、何度も何度もキスをして意識を手放すまで愛し合った。  燃え尽きそうなほど、深く、色濃く、先の事などもう何も考えられなくなるまで……。
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