692人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前を、他の男では感じないようにしてやりたい……!」
「あっ……、ユーリあたし、もう……もう、なんかだめ……っ! …………っ……!!」
「リト……! ……っ、く……!」
リトの唇から細い悲鳴が迸る。
ドクドクとユリウスの全てを飲み込んで、経験した事の無い大きな愛の津波がリトの全部をさらって行く。
震える身体を抱きしめ合い、息も止まるようなキスをして、二つに分かれた魂を繋ぐ。
(どうかこのまま、あたしたちを分かつものが無いように……)
潮が引いていく余韻に意識を預けていると、耳元に顔を埋めたユリウスが呟いた。
「……ダメだ、リト」
「え……?」
「今度は私がダメだ。おさまらない……」
「…………!」
そんな事を言われたら、またキュンと心も身体も鳴いてしまう。
「私はまだ一度目だ。キスをしてくれ、このまま……。夜は長い……」
そうして二人は、何度も何度もキスをして意識を手放すまで愛し合った。
燃え尽きそうなほど、深く、色濃く、先の事などもう何も考えられなくなるまで……。
最初のコメントを投稿しよう!