月と赤の誓約

7/26
前へ
/309ページ
次へ
「……その顔が見たかった。今までお前が感じたどの時よりも強烈な快感で払拭してやる」  膨らみの裾からユリウスの唇が這い上がって来た。下は親指が花芯を捉えながら、長い指がツプリと蜜口の中へ差し込まれる。 「きゃぅ……っ!」  ユリウスの唇がついに胸の先端を食んだ。唇に咥えられ、舌が絡みつくように膨らんだ蕾を転がす。  同時にリトの熱い中に侵入した彼の指が、内壁のザラリとした箇所を確信的に撫で上げる。 「……ユーリ……! ユーリ待って、だめっ……!」  ジンジン高まる芯芽も指の腹が幾度も擦っていき、その甘い疼きに思わず太ももをギュッと閉じてしまう。 「あ、……っ!? あ、ぁ、ああぁぁー……っ!」  その瞬間、身体中の快感がリトの中の一点にキュウゥと集約し、波のように押し寄せて……弾けた。 「……え? こらリト、お前まさか今ので……?」  ユリウスがキョトンとした顔で、ゆるゆると身体を起こす。  そしてソファの上でクッタリと脱力し、浅い呼吸を繰り返すリトにこの上なく優しい瞳で微笑んだ。 「お前というヤツは。どこまで可愛いんだ……」  唇に落とされる小さなキス。  けれどユリウスはまだ動けないリトを抱き起こして、スタスタと寝室へと運んで行く。 「だがまだだ。この先は優しくしてやる」  月明かりに照らされた寝台(ベッド)に横たえられ、リトはぼんやりとユリウスを見つめた。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

693人が本棚に入れています
本棚に追加