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黙っていると憂いを含んだように見える綺麗な横顔。少し煙ったような深い蒼の瞳、月の色と同じ銀の髪。
その彼がいつものように手首を反らしてシャツのカフスを外す。
「……もし月に神さまがいたら、きっとユーリみたいだと思う……」
リトのうわ言のような呟きに、ユリウスが目を上げる。
「そうやってユーリがボタンを外す仕草が好き……。シャツを脱ぐところを見ているのも好き……」
口元に静かな笑みを湛えて、言われたように彼は衣服を脱ぎ捨てた。
一見細いようにも思えるのにその裸体は厚みのある筋肉に覆われ、屹立する彼の象徴も息を飲むほどに雄々しい。
「あたし、ユーリを見てるだけでドキドキする……」
ギシッと寝台に上がり、ユリウスがリトを見下ろした。
「私はリトを見ていると、昼も夜もなくこうしたくなる」
降りて来たキスに目を閉じると、腰の曲線から身体の形をなぞられて吐息が漏れる。
舌を吸われ、唇を舐られながら全ての衣服が取り払われる頃には、リトの肌は再び上気した薄紅に染まっていた。
「今度は一人でいくなよ……?」
素肌を重ね、脚の間に彼が分け入ってきてももう抵抗など出来ない。するつもりもない。
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