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「──……どうなさったの? 急に黙り込んでしまわれて……」
上から覗きこんでくる女の言葉で、彼は瞼の裏に見ていた過去から現実に引き戻された。
今はまだ陽も高い午後、カーテンを閉め切った薄闇の部屋。
目の前には一糸まとわぬ肌と熟れた果実が、寝台に横たわる彼を上から見下ろして揺れている。
「貴女のさえずりがあまりに素敵で、つい聞き惚れていました」
「まあ……嫌な方、恥ずかしい……。あ、はぁ……っ!」
中断していた戯れを再開すると、子爵令嬢は本当に良い声で鳴いた。
豊かな乳房を下から揉みしだき、その頂きを爪弾くとさらに艶めいた嬌声を上げる。
「ああっ……! お……、お願い……です、もう……」
「美しい方の願いなら何でも叶えて差し上げたいが……まだですよ。もっと聞かせてください。……ほら」
彼女の内腿に滴る蜜を指先で辿り、彼を乞う熱い花芯に擦り付けると、予期した通りの甘やかな悲鳴が迸った。
飽くまでも優しく、けれど意地悪く。彼の指は震える花弁を丁寧に愛で、さらに奥深くの最も弱い秘所を探り当てる。
「あっ、あっ……、どうか……ください……!」
そう哀願しながらも、彼女の腰は自分のいいように身勝手に踊った。もっと確かな彼が欲しいと、すがりつくように瞳を潤ませて。
「今日は……乱暴に、して……」
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