花嫁は焔《ほのお》の護《まも》り姫

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 身体に力が入らなくなり、肌がザワザワと波立ってくる。 (なんか……変。ポーッとす、る……)  キスを交わしながら、ユリウスが髪や頬を撫でてくれるのが心地よくて、抗う気持ちがどこかへ押しやられてしまう。 「リト……。お前とのキスは、甘い……」  同じ事を心の中で思っていた。  痺れるような甘さと、ざわめく肌。痛むような不思議な快感に、思考が溶けていく。  やがて頬を撫でていた彼の手が首から肩へ、そして鎖骨を滑り落ちていき── 「……ふぁあっ!?」  薄いシフォンジョーゼットの生地の上から、ユリウスの手がリトの胸の形をなぞった。 「いやっ……! なにを……、あ……んん……っ!」  胸をかばって前屈みになるリトを、ユリウスが怪訝に覗き込む。 「どうした……? まさかリト、男と夜を過ごしたことはないのか。身上書には18歳とあったが」 「アトラ、となら……、あたし夜泣きする子だったから、今でも時々……」 「……それは違う。アトラめ、相当な箱入りに育てたものだ」  困ったように微笑んで、ユリウスは改めてリトの肩を抱き寄せた。 「そうか……。参ったな、こんなことが嬉しい」 「ユーリ……? なにが……、んん……!」
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