③ Takuto

2/2
前へ
/16ページ
次へ
 二ヶ月前__。 小さな神社の横に、小さな広場があった。 広場と言うより、空地に近い。__何もない。  そこで、何人かの小学生たちが遊んでいた。 サッカーでも野球でもない。 携帯ゲーム機。。  子供たちの中に、ひときわ躰の大きな男の子がいた。 宮田原の息子に間違いなかった。 まだ小4と聞いていたが、上級生に引けを取らない貫禄があった。 さすがは宮田原のガキだ。 宮田原。__敵対するヤクザの中堅組織の頭。 中堅組織。__表向きは、まっとうな商売。その実、ヤクザのフロント企業。 宮田原は、そこの社長だった。その実、組長だった。  宮田原は頭脳派だった。 力勝負には弱いが、その分、智恵を使って闇の社会を渡り歩いていた。 金儲けに()けていた。 __動かせる金が大きければ大きい程、上層部に重宝される。 かわいがられる。 人も集まる。 実力がつく。。  宮田原が稼ぐ金で、敵対するヤクザの懐が膨らんだ。 敵対するヤクザが幅をきかせるようになった。  __潰せ。 これ以上、のさばらせておくな。 相手の足を(すく)え。 宮田原をなんとかしろ。 宮田原を消してしまえ。  命令が下った。 俺の相棒に。 俺自身も補佐役を命じられた。。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加