第3章この世のものとは思えないような超イケメン天使との遭遇!

6/9
前へ
/25ページ
次へ
現れないんじゃないかと思い何か大切なものを失った気がし朝まで眠れなかったんだ。そうなると現金なもので再び姿太朗のことが思い出されてきて仕方なかったんだ。こんな時、奴だったら俺にどうするだろうかと、こんな自分勝手でわがままな俺でも優しい眼差しで俺のことを受け入れてくれたんじゃねーかと。すると今度は振りじゃなく本気で姿太朗のことが恋しく思われ恋しがる日々が続いたんだ。 『姿太朗!やっぱりお前だけだよ。俺のこと心底分かってくれたのは、まさかお前がこんな早くあの世にいっちまうだなんてよー!そんなことなるんなら俺のことも、一層連れていってくれればよかったんだ。なのに俺が呼べど叫べど現れもせず迎えすらこねー!もう俺のことなんか忘れちまってんだろう。もう一度だけでいいんだ。お前に会いてーよ!お前のそのへちゃむくれな顔が今は妙に懐かしくて堪らねーんだ。もう一度でいいお前のその不細工でへちゃむくれ顔から滲(にじ)み出る思い遣りや優しさ、ぬくもりに触れてみてーよ。思いっ切り包まれてーんだよ。だから姿を現し俺のことむちゃくちゃになるくれー思いっ切り抱き締めちゃくれねーか!?た、頼むよ、姿太朗ー!』 と今度は自然と流れる本当の涙と共に゛鷹人゛と刺繍された、あの勝負パンツ相手にベッドで泣きじゃくっていたんだ。そして俺が泣き疲れうとうととし始めた頃、突然、眩しいほどの光に体全体が包まれたかと思うと、あの羽音がし何物かに俺は体ごと鷲づかみされたような気がしたんだ。そして気がつくと何と空高く星空を自分の名通り゛鷹゛のように飛んでいて住んでる街も青い地球さえ、みるみる下の方に小さくなっていったんだ。しかも俺は誰かに背中からギュッと何物かに抱き締められるようにして飛んでいて、その伝わって来る感触が、あの姿太朗の側にいた時とまったく同じだったんだ。だから『す、姿太朗なのか!? 姿太朗なんだろう!?』と思わず俺は声を掛けたんだ。だけど、その時は何の返事もなく、やがて俺はここが天国なのではないかと思えるような目映(まばゆ)いばかりの世界へと降り立ち俺をここまで連れ去って来た物の顔を見て二度ビックリしたんだ。一つ目は姿太朗かと思って見た顔が、な、何と、あの゛超イケメン天使゛だったこと。そして、もう一つは
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加