第1章俺の大親友はハートイケメン

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恋人よか大事に思ってるかも知れねーんだ。ほんと彼女には申し訳ねーけどな!! しかし今でこそ、大親友で唯一無二の尊敬すべき存在の姿太朗も出会ってからしばらくは、何て、こいつ不細工(ぶさいく)なんだ。世の中に、こんな不細工でどうしようもねぇ奴、俺見たこともねーよ!って感じで顔や見た目だけで判断し、奴のことよく知りもしねーくせして正直見下してた時もあったんだ。そして奴のへちゃむくれな顔を見るたび・・・ 『チェッ、お前なんて幾ら逆立ちしたって俺みてぇに(イケてる顔に)なれっこねーんだよ。悔しいか!?それで金魚のフンみてーに俺の周りにつきまとってんのか、だっていつだって俺のまわりじゃねーか!? まさか俺の席の近くになれるようにって何かおまじないでもやってるって訳じゃ!? 頼みもしねーのに、ほんといつだって俺の席のまわりだぜ。それで俺のモテモテ振りのおこぼれでももらおうって算段なのか!? まぁー無理だとは思うけどな。そんなに俺が女子達から受ける熱い視線や眼差しが欲しいのかよー!?』なんて、まぁー今考えれば幼稚でヒドイことを勝手に思い奴のこと散々虚仮(こけ)にしてかかってたんだ。しかし口にこそ出して言わねぇものの、そんななバカにしたような態度で幾ら奴に接しても決して奴の方から俺に食ってかかってきたり罵倒(ばとう)してくることは一切なく、むしろこれぞ神対応なのかと思えるような天使みてぇな笑顔でもってニコニコと俺に微笑んできて逆に広い心を見せつけられる感じだったんだ。とても笑顔なんて似つかわしくない不細工な顔での微笑みではあったけど、見た目イケてる俺なんかよか、よっぽどイケてるっていう感じで。だけど、それが最初の頃は逆にバカにされてるような気になり腹が立って腹が立って仕方がなく頭でも小突いてやろうかというような衝動に駆られることも多かったんだ。でも、そんなことが度重なるうち俺の心にも変化が起こってきて、こいつって本当はスゲー奴なんじゃねーか!?って思うようになり、そっからは逆に一体こいつどうなってんだ!!?みたいに思い始め次第に関心を持ち惹(ひ)かれるようにもなっていき男はいや人は顔だけじゃねーんだと高校生の今頃になり気付かされたって訳なんだ。 とそんなことで俺は姿太朗からプレゼントされたフルーツサンドを手に俺の名入りのあの゛勝負パンツ ゛もしっかりと穿き
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