第1章俺の大親友はハートイケメン

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18歳なりたてホヤホヤの心と体でバースデーデートへ向かったんだ。奴の気持ちも背負うかたちで。その間も俺のこと心配してくれてか奴は玄関先から俺の姿が見えなくなるまで、ずっと見送ってくれていた。そんなこと実の母ちゃんでさえしねーていうのに姿太朗の奴ときたら…。だから俺も奴に応えて、イケメンとし俺最高の笑顔を返してやりながら角を曲がったんだ。  さらに姿太朗は俺に少しでもデートに役立って欲しいってことでデート応援企画とし情報通らしく、女の子が喜びそうな素敵な情報も教えてくれたんだ。それは゛キスミーランド((Kiss me land))(*こちらオリジナルの架空設定で私に、僕に、俺にキスしてランドの意味)と言って思わずこんな場所で誰もがキスやハグしてみたくなるような、いわゆるインスタ映えするようなロケーションのセットがされているスタジオが幾つも用意されてるアミューズメントパークで、にわかに評判が出てきている場所らしいんだ。例えばオーソドックスに☆夕日が沈む浜辺であるとか。二人で、そぞろ歩きたくなるような月明かりに照らされた小道であるとか。プラネタリュームまがいに満点の星空が一堂に見渡せるちょっとした小高い丘であるとか。反対に展望台まがいに街の灯りが地平線彼方まで見下ろせるビルの屋上であるとか。真っ青な海に浮かぶ二人だけの孤島であるとか。これらの他にも料金を支払えば希望に沿ったロケーションやシチュエーションを思いのままセッティングしてもらえるという、そんなうれしい場所まで、どこから仕入れてきたのか耳に挟んでくれたんだ。だけど、これが俺が姿太朗を目にした最後の姿になろうとは想像すらしてなかったんだ。そして、これが奴からの最後の俺へのイケメンコーディネートやイケメンプロモーション になるとは俺もこの時には本当に夢にも思ってなかったんだ。
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