第2章俺の誕生日を命日に奴が死んだ奴らしく、あー何てこった!

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微かな息の中、事故の衝撃で胸ポケットから飛び出したスマホに必死で手を伸ばし最後の力を振り絞り取ろうとしていたんだ。だけど、それも空しく途中、力尽きてしまったんだ。しかも姿太朗の奴、突然、暴走して来た車に気が付き、このままでは(夏休みでブールに行こうと)通りを歩いていたこども達に車がぶつかってしまう!! 危ないと咄嗟(とっさ)の判断で車の前に飛び出していき自らが楯になり事故に遭ってしまったようなんだ。結果、こども達は寸でのところで守られたものの代わりに、あ、あ、あいつが犠牲者となり救急車で運ばれたんだけど心配停止状態となり病院で死亡が確認され、つまり死んじまったんだ。あーーーーっ、な、な、何てこった!! こんなあっさりと、しかもあっ気なく、この世からも俺の前からいなくなってしまうとは、それも俺の誕生日の日にだよ。正義感強く心根の優しい、お前らしい天晴れな死に方で誇らしかったかも知んないけど、姿太朗! な、な、何でお前なんだよ。お前が死ななきゃならないんだよ。きっと何かの間違いなんだ。お前みてーに、いい奴が、こんな簡単に死ぬ訳ねーよ。なっ、なっそうだよなー!!とあとから、そのことを聞かされた俺は、その場から立ち上がることも出来ねーくらい打ちのめされてしまったんだ。そして・・・ 『あ、あ、あーーーーーーーーーっ、す、姿太朗ーーーーーーっ!!!!』 とその場に崩れ泣き叫ぶしかなかったんだ。
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