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それまで離婚というものは、たとえ嫌気がさしても目的地まで我慢して乗っていなければならない飛行機のようなイメージがあった。途中で飛び降りるにはリスクが高い。だからこそ自分の搭乗する飛行機は徹底的に選んだり検査したり、必要とあらば修理する慎重さが求められていた。
だが、この三年制度に変わり、飛行機はバスになった。旅とはいえぬ、身近な交通機関。途中で気分が悪くなればバスストップで降りればいい。飛び降りる決意もいらない。最初から停留所は決まっているわけだからあとは“降りるか降りないか”の二択を選ぶだけなのである。
一番大きいのは他人に迷惑をかけるかもしれないといった罪悪感や羞恥心の減少であろう。
むしろリセットという意味でポジティブな効果の方がメディアに取り上げられ、今では“結婚式”同様、“離婚式”を盛大に行う夫婦も少なくはない。
“ウェディングドレス”さながら、透明感のある淡いブルーで施された“セパレーションドレス”が若い女性に支持され、『一度は着てみたい』と、願う女性も増えたという。
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