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「俺の国のケーキ屋のイメージを話したら、面白そうだって言って中を少し改装して、テイクアウトメイン、テーブル数席のお店に改装したんだ。だから、味が似てるのは当たり前かな」
「じゃあ、エヴァちゃん今は王都に住んでるの?」
「うん、俺の両親の家に一緒に住んでるよ。引退なんて言ってたけど、エヴァがそうやってお店始めたから手伝うようになってね。結局今も完全に引退はできてないみたい」
そう語るマコトはとても嬉しそうだ。
あまり親孝行が出来ていないと言って気にしていたから、娘のエヴァがそうして気にかけてくれる事が嬉しいのだろう。
そういう優しい奴だ。
「娘はしっかりしていて良いですね。それに比べて息子はどうも頼りない」
「シキは若いだろ。まだ産める」
「誘いかけてはいるのですがね。どうもトラウマからか乗ってこないんですよ。案外奥手でヘタレでしたね、魔王ともあろう者が。今では私の方が魔王だなんて言われるんですよ、失礼にもほどがあります」
優雅な笑みは、いっそ毒が強く見える。
これを妻とできる時点で、相手の男はかなり度胸があるかドMなんだろう。
「でもさ、離れると寂しくないか? エヴァは年頃だろ? しかも美人だし。彼氏とか彼女とかいるんじゃないのか?」
「いるみたいだけどね」
「まじか!」
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