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【シエルベート視点】シエルベートの決意
なんだか騒々しくて、僕は玉座の間を覗いた。
そこにはロアールの弟のエッツェルがいて、なんだか思い悩んだ顔をしていた。
エッツェルが父様の事が好きっていうのは、知っていました。小さな時に助けてもらって、それからずっと父様の事が好きです。
ロアールはそんなエッツェルの事を「仕方ない奴」って言って呆れていました。
父様には、母様がいます。とてもとても愛しています。
でも母様は、時々苦しそうな顔をするんです。
爺様が母様を虐めるから。母様にそれとなく、酷い事を言うんです。
「他の国には沢山の子がいる」とか、「二人目の予定はないのか?」とか。
僕は知っています。母様がどんなに大変な思いをして僕を産んでくれたか。
僕を産むために、母様は死んでしまうところだった。父様はとても悲しんで、それでも生きていてくれた母様は強いんだって教えてくれました。
僕もそう思います。母様はとても元気で明るくて、そして優しい母様です。
エッツェルがいるなら、母様はきっと悲しんでいる。
爺様が最近「もう一人くらい嫁を用意してもいい。正妃の位はお前にやるから許容しろ」なんて酷い事を言っていたのです。
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