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翌日、僕は早速黒龍の領地へと飛びました。
王都から離れたユーリス様のお屋敷に来たのは、久しぶりです。
母様とマコト様はお友達で、よくお茶会を開いています。僕も小さな頃は一緒に来てお菓子を貰いました。マコト様の作るお菓子はとても美味しいです。
でも最近は、父様のお仕事のお供でしか来ません。
父様の仕事を手伝うようになって、あちこちを飛ぶようになりましたが、ユーリス様のお屋敷は久しぶりです。
「シエルベート?」
「あっ、シーグル様!」
僕が来たのを見たのか、屋敷の窓を開けたシーグル様が声をかけてくれます。
ロアールのお兄さん、シーグル様はとてもしっかりした方です。
長い黒髪に、穏やかな黒い目で、とっても冷静でお仕事ができます。
僕はお仕事でよくお会いしますが、とっても頼りになる方です。
「どうした? 仕事だったか」
「あぁ、いいえ! あの、ロアールいますか?」
僕はドキドキしています。だって、彼に会うのは久しぶりです。
僕は仕事を始めて、幼馴染みのロアールも軍に入ってお仕事を始めて、会う時間が合わなくなってしまっていました。
忘れていたら。
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