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僕に大丈夫って言ってくれるロアールが、側で笑ってくれるロアールが、大好きなんだ。
そっと、肩に触れた手が、腕が抱きしめてくれて、背中をポンポン叩いてくれる。
見上げてみたら、ロアールは真っ赤になっていた。とっても困った顔で。
「ダメ、かなぁ?」
「あぁ、いや……嬉しいよ」
その言葉は、どっちに取れば良いのかな。
好きって意味? それとも社交辞令?
分からなくて、またジワッと涙が浮かぶ。
するとロアールは驚いて慌てて、直ぐに僕の涙を指の腹で拭ってくれた。
「泣くなよ」
「だって、どっちなの? その嬉しいは、どういう意味なの?」
「嬉しいは嬉しいだ。俺も、その…シエルの事、小さな頃から可愛いって思ってた。天使だって思ってた。それは今も変わんない。シエルの事を守りたくて、俺は今鍛えてるんだ」
照れたような言葉に、僕の心臓は壊れてしまいそう。とってもドキドキしていて、嬉しくて、笑いながら泣いている。
「だから泣くなって」
「うれし涙だよ」
「…なら、いいか」
言いながら、ロアールはそっと抱きとめて、眦にキスをしてくれる。
思った以上に柔らかい感触に、僕は甘えて目を閉じてしまう。
すると直ぐに唇にも、触れるだけのキスをしてくれた。
「あの、ね。ロアール、あの…」
「なんだよ」
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