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さて、問題だ。
俺はシエルのお願いから数日後、夜に兄上の部屋を訪ねた。直ぐに通された私室で、兄上はカウチにゆったりと寝そべっていた。
「どうした、ロアール」
「あの、実は兄上に折り入って相談があって」
俺がこんな事を聞けるのは今のところ兄上だけだ。恥ずかしいし、何かと言われるかもしれないけれど、それが表に漏れた事なんてない。だからこそ相談ができるんだ。
体を立てた兄上は俺をジッと見る。眼鏡の奥の瞳が「早く要件を言え」と言っている。
俺の葛藤とか考慮してくれる人じゃないんだ。
「実は、シエルとの事でちょっと」
「喧嘩でもしたのか?」
「それは違うんだけれど、その、夜の事で…」
言えば何か納得したようだ。
「相性が悪いわけじゃないんだろ? それとも緩んだか?」
「緩んでないよ! これでも毎日訓練して鍛えてるんだ」
足腰を鍛える事はそのまま、あそこの締まりにも影響してくるんだ。
「レパートリーが少ないか?」
「うっ、それは否めないけど…」
確かに今のところ、ほぼ毎回同じような感じになっている。互いに気持ちのいい部分を手や唇で刺激して、気持ちよくなってから、解してもらって挿入…という、オーソドックスな感じだ。
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