【シーグル視点・R18】寡黙な騎士をこの手に抱いて2

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 だがそれをしたら、虚しさばかりが押し寄せるような気がした。 「上手くは、行かないものなんだな」 「シーグル様…」 「もういい。下がれ」  年齢、地位、そんなものが邪魔をする。  俺一人の気持ちでは駄目なのだろう。命じればそこに心はなくなる。一時は良くても、徐々に虚しさが募る。これはもう、諦めるしかないのかもしれない。  だが、ルーセンスは思い悩むようにその場を離れない。俺の肩を掴んだまま、黙っているばかりだ。 「どうした?」 「…お慕いしているのです」 「はぁ?」  顔を赤らめ、酷く落ち込んだ顔で何を言い出すのか。今さっき俺を拒んだばかりだというのに。  それでもルーセンスは止まらない。酷くばつの悪い顔をして、寡黙な奴がここぞとばかりに話すのだ。 「貴方にずっと焦がれておりました。年甲斐もなく、分不相応だと分かりながらもお慕いし、貴方に触れられる事に恥ずかしながらも悦びを感じていました。浅ましい…近習としてあるまじき心です」 「ずっと…とは、いつからだ?」 「お会いした時からです」  ということは、俺が160、こいつは200を超えていたはずだ。  なるほど、確かにあの時分では変態か。そう思いながらも、どうしようもない愛しさがこみ上げるのだ。仕方がない奴だと、笑えた。     
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