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そろりと唇を這わせ、隆起する体をなぞる。こうした行為など経験のない体は素直すぎるほどに反応した。ヒクンと震え、肌の色が染まっていく。
「可愛らしいものだな、ルーセンス。経験がないな」
「そのようなっ」
「こうした想像を、したことはないのか?」
「!」
赤い目が俺を捕らえてプルプルと震えて首を横に振る。嘘か本当か分からないが。
「あぁ、逆か。俺を組み敷くか?」
「そんなこと!」
「まぁ、最初は許せ。俺が産むのも構わないが、最初の子だけは黒龍でなければ後が面倒だ。その後は話し合って好きにしたらいい」
一応は面倒な王家としての責任がある。俺がコイツの子を産めば産まれてくるのは赤竜の子だ。そうなると将来的に、黒龍の王太子が赤竜という面倒な状況になる。血筋としては正しいのだが、混乱が酷そうだ。
「…………」
「ん? なんだ?」
顔をそむけ、真っ赤にしながら何か呟いている。
聞き取れずに問えば、ルーセンスは更に追い詰められたのか困った顔をした。
「貴方を下になど…考えた事はございません」
ボソボソと小さく言った男に、俺はニンマリと笑う。
つまりコイツは俺にこうしてのし掛かられる事を望むということだ。
「いい心がけだ、ルーセンス。たっぷりと可愛がってやる」
俺の欲情は、久しぶりに大きく傾いていた。
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